どう進めてゆくのか?ひかえカイナ袖九分龍、和彫り刺青完成までの10画像
KANです。
和彫りの袖九分。
フルスリーブとも言われ、
腕一本手首まで仕上げたもの。
今回、完成までの過程を
画像に収めましたので、
解説を交えてご紹介したいと思います。
お客さんのリクエストは、
昔彫った右の龍に合わせ、
左も龍で仕上げたいとのことでした。
【事前打ち合わせ】
胸タイコ部分のサイズや
全体の流れに合わせて、
構図を考えてゆくためです。
この時点でお客さんのご希望もしっかり
聞かせていただきました。
【筋彫り】
胸には既に彫られている蓮&梵字が
ありまして、
それを踏まえて構図を練っていきました。
右の龍は胸に顔があり、眼はやや下向き。
お互い目が合うようにしたかったので、
顔は上腕に据えました。まずは5時間。
【筋/額彫り&額ぼかし】
この回は6時間いただきましたので、
背景となる額の筋彫りを。
そのまま額のぼかしを進めました。
背景が埋まってくると
一気に「らしく」なってきます。
【胸(カイナ)額ぼかし】
前回のぼかしが馴染んできまして、
今回は胸と肩のぼかしを進めました。
脇の下など、普段は見えにくい部分も
しっかり彫ります。4時間。
【ウロコ色入れ】
赤龍だけど、色は渋い感じ!
そんなリクエストでしたので、発色は抑えめぎみ。
龍ってやつはウロコに
とにかく時間がかかります。
これだけなのに6時間。。。
でも手間をかける価値はあります。
【顔&腹色入れ】
前回から一週間経過。
前回彫ったウロコは治りたてでテカテカしてます。
龍の顔そして腹を仕上げました。4時間。
【菊色入れ】
右腕と対になる菊の色入れです。
こちらも渋い赤を使用。
イエローのおかげで色のコントラストが活きました。
3時間。
【背びれ/炎色入れ】
残りは背びれや爪、炎などなど。
3時間かけ、色入れはすべて完了しました。
眼入れもこの時に。
点で彫る?瞳を彫る?色はどうする?
それらにより表情が変わりますので、
お客さんへのアドバイスは欠かせません。
気に入って頂けて何より^^
【宝玉文字入れ/蓮タッチアップ】
最終回(3時間)を迎えました。
宝玉にご指定の文字を。
毛筆感もしっかり出しました^^。
当初から彫られていた蓮と梵字も
発色を合わせるためタッチアップを。
小さな色飛びなども、しっかり手直し。
総施術時間34時間となりました。
これはあくまでも目安。
実際は数時間オーバーしています。
例えば「今日は3時間進めましょう」と
言ったって、予定時間キッチリで
終わるわけではありません。
施術時間に休憩時間は含みませんし、
毎回切りの良いところまで進めることが
多いので、3時間分で4時間かかることも…。
「武士に二言」になってしまいますので
その分を余計にいただく訳にはいきませんしね、
総時間数は参考程度とお考えください。
2ヶ月半で胸〜袖九分を仕上げるのは
かなりのハイペース、
ご本人の気合の賜物です。
次回から背中へと進みます。
Sさん、画像をたくさん使わせていただき、
ありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m
いかがだったでしょうか?
好き、嫌い、彫りたい、彫りたくない、
考え方は人それぞれ。
興味のある方にとって、参考になれば幸いです☆