カバーアップの、さらにカバーアップ
KANです。
今日はカバーアップのお話。
バンコクスタジオに来られたこちらのお客さん、
タイ人の方ですが、
「コレをカバーアップしてほしい」とのご要望。
初めに肩甲骨に彫り、
下に鯉を足したついでに、
上をカバーアップしたのでしょう。
タイ人彫師が手がけたということでしたが、
この処理には頭を抱えました。。。
ご本人曰く、
「龍でも鯉でも虎でも何でもいい!
とにかくなんとかしてくれ。」
何度もタイのスタジオで
カバーアップの下絵を頼んだそうですが、
しっくり来なかったそうです。
初めに見た時、
サイズを大きくせずにカバーアップするのは
自分にも無理だと感じました。
ですが「日本人の彫師なら
なんとかしてくれる!」
そんな思いを切実に感じまして、
もうできないとは言えませんよね?
とにかく何とかしてあげたいと
仕事を受けさせていただきました^^;
時間はたっぷり頂いてましたので、
施術の合間にたくさん描きました。
とにかく描いたなぁ。
サイズを大きく出来ない以上、
元のタトゥーを隠しきれないのは仕方ありません。
彫られていない肌の部分をどう使うか?
難しかったです(笑)
幸い下絵は一発で気に入っていただき、
バンコクでの施術一日め。
彫りたては新しい黒が元絵の黒に
勝っているのですが、
肌に馴染んでくるとこのコントラストも下がります。
そこがカバーアップの難しいところでして、
さらに下の鯉との色合わせも行いたいところ。
5日後、2回目の施術です。
鯉のかさぶたも剥がれてきて、
順調に治ってきてますね。
仕事を気に入っていただき、
元の鯉の色合わせ、一体感が出るような背景も欲しい
との追加リクエスト。
色・ぼかしの突き直し、腰近くまでの背景足し…。
数カ所を除き、ほぼ全部彫り直ししました。
イチから自分が仕上げた作品とは言えませんが、
それはさておき、
堂々を上半身裸になっても恥ずかしくないように
彫らせていただいたつもり。
通訳をはさんでのやりとりでしたが、
やっぱり喜んでもらえると嬉しいですね。
本来あってはならないのですが、
気に入らない…とか消したい…とか。
そういうご要望があるもの事実。
カバーアップについては
彫師10人いれば、それぞれ違う下絵になる。
あきらめず、身近な彫師やスタジオに
聞いてみるのが良いですね。
今日はD難度のカバーアップ、
ご紹介させていただきましたm(_ _)m