職人って、すごい。。。

 

 

EMMIEです。

 

 

 

トンデモ私事ですが、つい最近引越しをしまして。

なんでも自分でなんとかしたい派の頑固な私は洗濯機以外の家電の搬入やら家具設置やらクッションフロアシートを敷いたりなんだりかんだり、休みの日にひたすらやっているんですが…。

 

これ、ド素人じゃやっぱり無理がありすぎる( ;∀;)

家電をひとつ運ぶにもトラブルが続くし、床にシートを敷いてはみたものの寸法合わず隙間だらけ…。

 

 

内装屋さん、水道屋さん、配達業者の方や家電量販店の方などなど…本当に頼るべきだったなと後悔( ;∀;)

 

始めてしまったものはしょうがない!のでやり切りますが、毎日「あぁ〜〜〜〜〜」と落ち込む日々。

改めて、専門で仕事を請け負う職人さんの大切さを身にしみて感じています。

 

 

 

 

 

職人といえば、スタジオの彫り師も「職人」たち。

ここ1年、見習い応募者へのメールにたびたび「我々は職人業であり、アーティストではありません」といった記載をしてきました。自分がこのスタジオに応募した時もそう書かれていて、感銘を受けたのを覚えています。

 

 

 

「職人」と「アーティスト(芸術家)」って、どうちがうんでしょう?

 

 

「職人」は、その人にしかない持ち前の高い技術を商売にして、その技術を用いて大小どんな仕事もやる人。

対して「アーティスト」は、唯一無二の個性があり、流行や万人ウケなどに左右されることなく自由に表現したものを発表する人で、コアなファンがいる。

 

なんとなくそういうイメージがある人もいると思います。

 

 

 

河出文庫の「アーティスト症候群」という本には、下記のように書かれていました。

 

「職人のことを英語でアルチザン(artisan)という。アーティスト(artist)と同じく、artという単語が入っている。artを訳した『芸術』を分解すれば、芸と術である。ワザとテクニック。これこそ職人のものだろう。つまり昔は、アーティストとアルチザンは同じ者であった。」

 

「職人は技術を重んじ、アーティストはオリジナリティを追求する。職人はその技能を売って生計を立てるが、アーティストは作品だけで食べられるとは限らない。職人は親子代々受け継がれ、師匠から弟子へと技術は伝授されていくが、アーティストは一代限りである。職人の製作物は生活用品であり、アーティストの制作物は「用」とは無縁の芸術と呼ばれる。元は同じワザの世界にあった両者は、大雑把に言ってだいたいこのように分かれている。」

 

中世期までの絵画や彫刻は、民衆に宗教を分かりやすく伝えるために雇われた「職人」たちによる作品なんだそうです。

上からの指示で作るものは決まっているから、あとはそのオーダー通りに絵を描き、石を彫る。そこに個性はないけど、忠実さが大切なところも含めて、確かに「職人」という感じがしますよね。

 

しかしその後美術界の発展に伴い、一つ石を彫る、一つ絵を描くにも個性が生まれていきます。唯一無二を生み出して高いお金でその「芸術」を評価され、後世に名を残す「芸術家」が出てくる一方で、ただ与えられた仕事を推敲するだけの職人は、たとえ高い技術があったとしても淘汰されたり、「無名」とされてしまいます。

職人と芸術家の分岐ですね。

 

 

しかし師である彼らは、その後長きに渡り技術の後継をし、地域に根付いていきます。

「無名」でありながら、その技術は誰もが知る唯一無二の技術となるわけです。
反面、「アーティスト」は一代限りであるためその技術は途絶えますが、ゴッホのように亡き後作品が脚光を浴びることもある。

 

 

ここまでの話から、アーティストというのは個性的で独自の技術があり、職人は個性を抑えつつ一貫した技術力、という感じがします。

 

でも、タトゥーは生活用品ではなく、どちらかといえば芸術。

技能を売って生計を立ててはいますが、オリジナリティ、個性だって重要になります。

 

 

この境界が曖昧で難しいのですが、本にはこういったことも書かれておりました。

 

「職人の作ったモノは、あくまでも『それを使う人本位』である。宗教から完全に分離しありあまる自由を手にした時点で、『作る人本位』のものとなった芸術とは、そこが根本的に違っている。」

 

我々が自らを「職人」と位置付ける理由には、これが1番大きいように感じます。

この一文だけでは、「ならばアーティストは自分勝手なのか」という反論があるとは思いますが、そういうわけではなく、どちらを主体にするかだと思います。

 

 

たとえば、お客さまが彫りたいと持ち込んだデザインに対して、「それはうちのスタイルじゃないから」と依頼を拒否することがあったとして。

 

絵を描く側からしたら、「うちの何を見てそのデザインを頼んだんだ?」となる気持ちももちろんわかります。特に和彫、洋彫はまるっきり違うので、片方しか受け付けてないスタジオさんが多いのも理解できます。

 

 

けれど反対に、「絵を描かない人、専門外だからこそ、何を思い依頼をしたのか」を考える必要があると思います。

 

「せっかくならば上手な人に頼みたい」と依頼をしたのかもしれない。「上手そうだから」、「安心できそうだから」、「この人のこんなジャンルが見てみたい」、もしくは「一度彫られてから決めよう」とお試しで来る可能性もある。

 

色んな理由があってこのスタジオを選んでくれたのだと思いますし、色んな想いがあってそのデザインに決めたのだと思います。

それに「相手の立場になって、自分たちの技術で答える」のが、職人たる所以なのかなと感じる所存でございます。

 

 

もちろん、アーティストだって素晴らしい!

それこそその人が自身の技をお仕事にされている訳ですから、唯一無二の仕事であることは間違いありません。

私も、いつかお願いしたいな〜て人、海外にいらっしゃるし(*´-`)

 

「職人とは、熟練した手作業にてモノ作りをし、それを職業とする者である。あくまで質の高い安定した製品を作ることが第一目標だ。よってアートでいうところの個性や創造性は、職人の世界においては「遊び心」という形で控え目に表現される。技術に充分な自信を持つ者が、その製品を受け取った誰かに送るちょっとした愛嬌が「遊び心」。それはアートのように主張はしないが、人をホッとさせたりニヤッとさせたりする余裕の職人芸。」

 

職人たちの遊び心。

ぜひ、体験してほしいと思います。

 

 

 

ちょっと話はずれますが、職人についての記事にこんなものもありました。

 

NHKアナから「職人の道」へ彼女のただならぬ決意

これは伝統工芸職人となった元アナウンサーさんのインタビュー記事。

この「一生成長、一生修行」という言葉が胸に響きますね。

 

 

 

長〜くなりましたが、この本なかなかに辛辣で面白かったです♪( ´▽`)

まだ全部読み切れてないので、引き続き読もうと思います!

 

 

明日からもまだ雨が続きますね!

冷えるので、どうかお体お気をつけくださいね!

 

 

 

オートクレーブの洗い物もしたし!

次回結果報告しますね・:*+.\(( °ω° ))/.:+

 

では☆