志を立てよう

志を立てよう

志を立てよう。
本気になって、真剣に志を立てよう。
生命をかけるほどの思いで志を立てよう。
志を立てれば、事はもはや半ばは達せられたといってよい。
志を立てるのに、老いも若きもない。
そして志あるところ、老いも若きも道は必ずひらけるのである。
今までのさまざまの道程において、
いくたびか志を立て、いくたびか道を見失い、
また挫折したこともあったであろう。
しかし道がない、道がひらけぬというのは、
その志になお弱きものがあったからではなかろうか。
つまり、何か事をなしたいというその思いに、
いま一つ欠けるところがあったからではなかろうか。
過ぎ去ったことは、もはや言うまい。
かえらぬ月日にグチはもらすまい。
そして、今まで他に頼り、他をアテにする心があったとしたならば、
いさぎよくこれを払拭しよう。
大事なことは、みずからの志である。
みずからの態度である。
千万人といえども我ゆかんの烈々たる勇気である。
実行力である。
志を立てよう。
自分のためにも、他人のためにも、そしておたがいの国、日本のためにも。
松下幸之助