法人設立28周年。。。

KANです。

 

 

今年2025年5月20日で

ストローカータトゥーの法人は28周年を迎えることができました。

自分が古着屋時代に作った小さな小さな有限会社。

当時、株式会社の設立には資本金1,000万円が必要で、

設立資金300万円の有限会社が精一杯でした。

アメリカ古着やアンティーク雑貨、将来的にはアメ車も扱いたいなんて夢は一人前。

ビジネスや経理のことなどまったく理解していない状態で立ち上げたのが1997年。

無知で世間知らずな若造ですから、そりゃ上手くいくわけはございません笑。。。

爆発的な古着ブームはすぐに過ぎ去り、店は火事になり、

彫師をしていた知り合いに拾われ、そこから紆余曲折を経て今に至りますw。

(法人は意地で潰さず守りました)

 

当時はタトゥー業界に身を置くことなど夢にも思っていなかったし、

ましてやタトゥースタジオが法人というのも当時は珍しかったと思います。

独立させてもらった時に新たにお願いした税理士の先生がとても良い方で

これから自分はどうしていきたいか、何を得たいか等を全てを聞いてもらい、

本当に色々勉強させてもらいました。

 

 

あまり内情についてお話ししたことはないのですが、

いい機会ですし時代も変わってきましたので、

今日は少し掘り下げます。

 

当時タトゥー業界では完全歩合(フルコミッション)が一般的。

彫師の取り分何パーね、みたいな感じです。

ベテラン彫師にとっては実に明快なシステムですが、

見習い〜初級レベルの彫師たちには時に誤解を与えます。

「彫師は人生を左右する大事な仕事」ということを理解する前に

「タトゥーイコールお金」という見方をしてしまいがちなのです。

30,000円のタトゥーだから今日は15,000円の稼ぎだなといった具合。。。

 

自分だったらそんな考えの彫師に彫られたくない。

彫師同士でお客さんの取り合いが起き、

個々の収入が安定しないというデメリットもあります。

そもそも完全歩合での雇用契約はできませんし、

見習い状態から起業届を出して個人事業主になれよというのもハードルが高い。

 

なのでうちは見習い期間を終えますと、彫師は社員として迎え入れます。

固定給+業務成果に応じた分の歩合制給与を上乗せ。

ずっとこのスタイル。

所得税、住民税、社会保険料もみんな払っていますし、

お客さんからお預かりしている消費税、そして法人税等々ももちろん納めています。

(年々年貢の取り立てが厳しくなっているのは気のせいですか^^;…)

 

今は知りませんが、

売り上げを申告しない、税金を納めない、

さらには生活保護…という彫師って結構いたんですよ。

独りぽっちグレーな稼業のまま進むなら良いのですが、

職業として社会的に認められなくとも出ていくお金が多かろうとも

表街道をいくならキチンとしなければいけません。

 

 

このスタイルで頑張ってきて良かったなぁとしみじみ思ったのが、

町田スタジオのちひろが一戸建ての家を建てた時。

未婚の女性、職業彫師。

親の資金援助なし、すべて自力。

銀行の住宅ローンが通ったと聞いた時は自分も嬉しかった。

源泉徴収票、勤続年数,,,etc

それ以外の信用案件も当然あったと思いますが

会社という存在意義が実感できた出来事でした。

 

正直言うと、

彫師は稼げるぜぃなんて思って門を叩く若い子たちにとっては

不評かもしれません、そう簡単には稼げませんから。

デビューしてすぐ多くのお客さんに恵まれる、

良いお客さんたちに囲まれて仕事が出来るのは、

過去20年以上、先輩彫師たちが作ってきてくれた

タトゥースタジオの信用と実績があるからに他なりません。

彫師としての幸せを実感できるのは、デビュー後3〜5年くらい経ってからかなぁ。。。

お客さんは彫師の頑張りをこっそり見てくれています。

お金じゃない、彫師の本質が見えてくるまで支えるのが

スタジオとしての使命だと信じています。

 

 

長々とお話ししてきましたが、結局のところ

自分は演者にとって最高の舞台を作る裏方さんが好きでして、

彫師にスポットライトが当たり、さらにはお客さんが喜んでくれるのを

幕のすき間から見るのが幸せなのです。

 

一緒に頑張ってくれる仲間たちに心から感謝を⭐️

ありがとう!

そして税理士の中嶋(>HP)さん、これからもよろしくお願いいたします。

 

 

花よりも、花を咲かせる土であれ。

 

 

この先の目標は、またあらためてお話しさせていただきますm(_ _)m

ありがとうございました。