事上磨錬

 

前日にある程度備えはしていたものの…

今朝の雪には参りました…

自分は通勤で電車を使い約1時間程かかるのですが、

最寄り駅は入場規制、

経由の駅は更に規制、

その規制に加えマナーの悪い人がいて警察官が何人も動員されて、

駅構内は稀に見る混乱ぶりでございました。

mixup

30分早く家を出たのですが、

スタジオに着いた時は普段より45分ほど時計が進んでいました。

スニーカー以外の履物がないので靴は中まで染み、

ズボンの裾も絞れるくらい濡れてしまい、

見事に雪の洗礼を食らったそんな1日のスタートでしたが、

お仕事の方はしっかりと務めさせて頂きました◎

 

本日は足元が悪い事もあり、

お店も普段に比べ落ち着き気味で、

自分は溜まっている下絵に終始没頭できた日。

 

大小問わず、小さい下絵一つでも構図や配色など悩みに悩みます。

しかし、

悩んでいる部分も見習いの頃に教わった事の点と点が繋がる瞬間が多く、

学んできた事を存分に活かしながら毎日お仕事させて頂いています。

自身の担当するお客さんにもお礼の連絡等頂き、

改めて良い仕事に巡り合えた事に感謝しています。

 

そんな中、お客さんとやり取りしている時にポッ出た

《事上磨錬》という四字熟語。

最近は頻繁に、肌身に感じております◎

 

《事上磨錬》という四字熟語ですが、

改めて辞書を引くと

 

 

王陽明が修行について説いた語。

観念的に考えるだけでなく、

実際行動、

経験、体験の中で知識を磨き、

人格等を錬成すること。

 

 

と記してあります。

ストローカーに加わり、

毎日が事上磨錬な事ばかりですが、

その中でも思い出深い事がありました。

 

それは実際に彫るまでの過程を改めて体験できた時でした。

 

彫師の勉強をやりだして、

その時は自分自身を彫る事や、

友達を彫る事はあったのですが、

思い返せば久しく彫ってもらう側にはなっていませんでした。

 

自身がお客さんの立場になって、

KANさんやTSUBASAくん、

SHUNくんに彫って頂く。

字を体で体現するように、

見て習うをまじまじと感じ、

体感を通じてスルスルと頭に入ります。

改めてこうして人に彫られると自分でもビックリするくらい発見と再確認ができます。

 

そんな見習いの通過儀式、

やはり一発目は大黒柱であるKANさんに彫って頂きました。

和彫りの額部分にボカシを入れて頂きました。

 

 

gakunobokashi

 

 

針の深さからマシンについて、

肌の張り方といった彫る技術は勿論、

インクの拭き方はこうゆう風にすると雑に感じるよな?

こうだとどうだ? でもこうだと、、、

ワセリンの塗り方はこれではダメ

 

ガーゼの張り方一つにしても気を抜かない。

プロとしての仕事の細かさ、

姿勢を肌身に感じるとてもいい機会になりました。

 

また線の箇所は以前の恩師の物で、

ボカシ部分は現在の師KANさんという事で、

個人的には勉強にもなりつつ思入れ深い物にもなりました。

形的にも他店様の引き継ぎのように想像が出来、

使うインクの違いによる発色の違い、

既存の物になるべく寄せるアプローチなど本当に学べる所が多かったです。

尊敬する2人のtattooismが自身の身体に刻まれている気がして、

まるで一種のお守りを纏っているかのような気分にもなります。笑

 

2回目はSHUNくんに薔薇を彫って頂きました。

自身にとってブラックアンドグレーを課題にしていた時期でしたので、

SHUNくんのタッチでブラックアンドグレーの薔薇をリクエストしました。

 

 

shunrose

 

 

絵柄の転写や、

道具の説明までお客さんのつもりで一から丁寧に説明して頂き、

伝えやすい言い回しなど諸々学ばせて頂きました。

彫り始めてからは彫り師同士の目線で彫り進めて頂きました。

 

ここの部分は薄く引いてみますね、

すると、、、こんな感じ。

ここは濃くしてみます、

そしたらこんな感じです

そしてこの薄いところと濃いところが重なると、、、

 

など実に丁寧に説明を受けながら施術して頂きました。

 

3回目はTSUBASAくんにお願いして牡丹を彫って頂きました。

自信のあったカラーワークが低迷している時期でしたのでカラーの牡丹をお願いしました。

 

 

tattooing_tsubasa

 

 

このシリーズは粘度が高くて入りにくいけど発色がいいんですよ

これはシャバシャバで入りやすいけど抜けやすくもあるんでこうした方がいい

などインクの特徴を学ばせて頂きました。

 

その他、

色の調合だったり、

マシンの動かし方、

アクセントになる色の足し方等的確なアドバイスをして頂きました。

 

施術中、

写真を撮ったり、

動画を録画したり、

施術中に質問の嵐だったりで幾分騒がしい所もあったかもしれませんが、

嫌な顔一つせず夜遅くまで付き合って頂きました。

本当にありがとうございました。

 

いろいろな人に支えられて学ばせてもらって、

昨今、こうしてお客さんからお礼のメールを頂いた時は本当に感激しました。

 

彫師によってデザインのタッチ、

施術のプロセス、

マシンのセッティングなどは違いますが、

STROKERの彫師に共通している事といえば安心感です。

 

デザイン、衛生面、所作法

全てに任せても大丈夫という

安心感があったように感じました。

 

自身が体感した安心感。

少しでも多くのお客さんに感じてもらえるように

STROKERの彫師として、

これからも精進していこうと改めて思えたそんな雪の日。

まだ路面の凍結などの恐れがありますので、

外出中の方や、これから外に出られる方は十分に気をつけてくださいね◎