どう進めてゆくのか?ひかえカイナ袖九分龍、和彫り刺青完成までの10画像


KANです。

 

和彫りの袖九分。

フルスリーブとも言われ、

腕一本手首まで仕上げたもの。

今回、完成までの過程を

画像に収めましたので、

解説を交えてご紹介したいと思います。

 

 

お客さんのリクエストは、

昔彫った右の龍に合わせ、

左も龍で仕上げたいとのことでした。

 

 

【事前打ち合わせ】

和彫り袖九分が出来るまでの刺青画像
◎まずは既に彫られている右腕を確認。

胸タイコ部分のサイズや

全体の流れに合わせて、

構図を考えてゆくためです。

この時点でお客さんのご希望もしっかり

聞かせていただきました。

 

 

【筋彫り】

和彫り袖九分が出来るまでの刺青画像

胸には既に彫られている蓮&梵字が

ありまして、

それを踏まえて構図を練っていきました。

右の龍は胸に顔があり、眼はやや下向き。

お互い目が合うようにしたかったので、

顔は上腕に据えました。まずは5時間。

 

 

【筋/額彫り&額ぼかし】

和彫り袖九分が出来るまでの刺青画像

この回は6時間いただきましたので、

背景となる額の筋彫りを。

そのまま額のぼかしを進めました。

背景が埋まってくると

一気に「らしく」なってきます。

 

 

【胸(カイナ)額ぼかし】

和彫り袖九分が出来るまでの刺青画像

前回のぼかしが馴染んできまして、

今回は胸と肩のぼかしを進めました。

脇の下など、普段は見えにくい部分も

しっかり彫ります。4時間。

 

 

【ウロコ色入れ】

和彫り袖九分が出来るまでの刺青画像

赤龍だけど、色は渋い感じ!

そんなリクエストでしたので、発色は抑えめぎみ。

龍ってやつはウロコに

とにかく時間がかかります。

これだけなのに6時間。。。

でも手間をかける価値はあります。

 

 

【顔&腹色入れ】

和彫り袖九分が出来るまでの刺青画像

前回から一週間経過。

前回彫ったウロコは治りたてでテカテカしてます。

龍の顔そして腹を仕上げました。4時間。

 

 

【菊色入れ】

和彫り袖九分が出来るまでの刺青画像

右腕と対になる菊の色入れです。

こちらも渋い赤を使用。

イエローのおかげで色のコントラストが活きました。

3時間。

 

 

【背びれ/炎色入れ】

和彫り袖九分が出来るまでの刺青画像

残りは背びれや爪、炎などなど。

3時間かけ、色入れはすべて完了しました。

眼入れもこの時に。

点で彫る?瞳を彫る?色はどうする?

それらにより表情が変わりますので、

お客さんへのアドバイスは欠かせません。

気に入って頂けて何より^^

 

 

 

【宝玉文字入れ/蓮タッチアップ】

和彫り袖九分が出来るまでの刺青画像

最終回(3時間)を迎えました。

宝玉にご指定の文字を。

毛筆感もしっかり出しました^^。

当初から彫られていた蓮と梵字も

発色を合わせるためタッチアップを。

小さな色飛びなども、しっかり手直し。

総施術時間34時間となりました。

 

 

これはあくまでも目安。

実際は数時間オーバーしています。

例えば「今日は3時間進めましょう」と

言ったって、予定時間キッチリで

終わるわけではありません。

施術時間に休憩時間は含みませんし、

毎回切りの良いところまで進めることが

多いので、3時間分で4時間かかることも…。

「武士に二言」になってしまいますので

その分を余計にいただく訳にはいきませんしね、

総時間数は参考程度とお考えください。

 

 

2ヶ月半で胸〜袖九分を仕上げるのは

かなりのハイペース、

ご本人の気合の賜物です。

次回から背中へと進みます。

Sさん、画像をたくさん使わせていただき、

ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m

 

和彫り袖九分が出来るまでの刺青画像

 

 

いかがだったでしょうか?

好き、嫌い、彫りたい、彫りたくない、

考え方は人それぞれ。

興味のある方にとって、参考になれば幸いです☆